良い睡眠のためリラックス方法についてアドバイスする飯島慶朗院長
良い睡眠のためリラックス方法についてアドバイスする飯島慶朗院長
良い睡眠のためリラックス方法についてアドバイスする飯島慶朗院長

 新年度が始まり約2カ月が経過すると気持ちが張った状態が抜け、心身の疲労が体に出てくる。疲れているのに眠れない、あるいは睡眠の途中で目が覚めるといったことも起きやすい。質の良い睡眠は疲労回復だけではなくストレスへの耐性もつくとされる。質の良い睡眠のためのセルフケアについて「出雲いいじまクリニック」(出雲市大社町杵築東)の飯島慶朗院長に聞いた。

 そもそも疲れているのに眠れないのはどうして起こるのか。脳内には覚醒系と抑制系という神経の経路があり、そのバランスで起きたり寝たりが決まる。不眠は、不安やストレスを感じて覚醒系の働きが強まって起きる。また、修学旅行で興奮して寝られない、というのも覚醒系が活発になっているためだ。

 これを防ぐには寝る前に脳のクールダウンが必要。飯島院長は自分でできる就寝前のリラックス方法を三つ紹介した。

 【ゆっくりお風呂に入る】ストレスで緊張していると血管が収縮して血行が滞り代謝が悪くなる。そこでぬるめのお風呂にゆっくり入り疲労物質を排出する。電気をつけず薄暗がりで温まるのも効果的だ。

 【就寝30分前はブルーライトをカット】交感神経が緊張している中、インターネットやテレビで目を酷使すれば、脳はますます興奮して休息モードに切り替わらない。目を休めるため低刺激モードに切り替えることが必要。

 【香りを用いたリラックスタイム】鼻は脳に直結する唯一の感覚器。香りによる鎮静作用は短時間で脳に届くため、休息モードに入りやすい。ハーブティーやアロマセラピーの香り作用が効果的だ。

 眠りのためのホルモンは朝、目が覚めて日の光を感じてから15~16時間後に分泌され自然に眠くなるようになっている。毎朝同じ時間に起きる習慣も大切だ。

 飯島院長は「一人で解決することにこだわらず医療機関に受診するのもお勧め」と呼び掛けた。(坂上晴香)